川崎市議団NEWS平成29年第1回定例会

 平成29年2月13日(月)~3月17日(金)の期間にて第1回川崎市議会定例会が開催されました。今回の定例会においては、「平成29年度川崎市一般会計予算」等の予算関連議案を含む計65本の議案審査が行われました。

平成29年度予算編成について

― 止まらぬ社会保障関連の経費の増加 過去最大規模の減債基金からの借入れ ―

 平成29年度の一般会計、特別会計及び企業会計を合わせた全会計の予算は、1兆4,444億円でした。一般会計予算は、過去最大の規模として計上された昨年度の額を優に超え、7,087億円と約10%強の増となりました。また昨年度、減債基金(借金返済のための積立)からの単年度借入が92億円であったのに対し、今年度の単年度借入は、その倍に当たる185億円となり、平成24年度決算からの借入総額は、393億円となりました。川崎市は、人口増や、市民税、固定資産税の増加を発表しましたが、今年度当初予算の市債発行額は、577億円でした。川崎市の人口増加見込みは、13年後の2030年をピークとしています。つまり、30年の市債償還を考える際、今年度の当初予算は、人口が減少している中で、市債、借金を返していかなくてはなりません。未来のこどもたちのために投資した予算が、結果として未来の子どもたちにツケを残すような形になり、借金が重荷になるようでは、元も子もありません。本市の人口減少時期が、公表されているからこそ、今回の予算編成では、人口減少、高齢化社会における持続可能な制度設計が求められているとし、当初予算では、そうした持続可能な社会の仕組み作りの考えをわかりやすく予算として、示すべきとして、市長に質問をしました。答弁では、財政的な裏付けは、示されないままに、「中長期的な財政状況を見通して予算を編成している」としました。また、将来的な財政負担の軽減につながる仕組みとして、学校の長期保全計画の推進や社会保障寒冷経費の伸びの抑制につながる自立支援、健康づくりなどの取組みを推進していとのことでしたが、この取組みでどのくらい社会保障関連経費の抑制が図られるか財源的な根拠もなく、また未知数であり、しかも財政効果は、増え続ける社会保障関連経費と比較してもあまりにも、小さいのではないかと指摘をしました。
 また、今回の予算は、義務的経費増加の伸び率が、著しい予算なったことから、市長が明言する、スクラップ、スクラップ&ビルトは、どこの何が効率化され、どの事業が中止、または最適化されたのか、どの改革が、結果として、市民サービスの向上へと還元されたのかについても質問をしました。  答弁では、取組み効果として、全会計41億円の財政効果が確保されたとのことです。ただし、残念ながら、財政効果は、どこに反映されたのかという具体的な答弁はなく、結果として、減債基金の取り崩しを抑制すること(要するに、借金を大きくしない事)に、使われたこととなりました。また、川崎市は、受益者負担の適正化と称し、様々な料金改定を予定しています。人口増加で、税収が増加する中においても、ゴミの有料化、駐車場の有料化、施設の使用料の値上げなど、年金暮らしの高齢者の方々からは、生活水準の低下を危惧する声があります。川崎市は、そうした、生活する上での基礎的な環境の現状と課題をどのように捉えているかについても質問をしましたが、これについても、受益と負担の適正化という説明し終始しており、隣の世田谷区のように、現状と課題を明確にするまでには、至りませんでした。
 答弁の最後に市長は、今、起こっている問題の多くの課題は、人口問題に起因していると答えました。その解決策として、待機児童対策や子育て環境整備に多くの予算を付けて、人口減少の影響をできる限り緩和していくとのことです。しかしながら、待機児童対策や子育て環境整備をすることが、人口問題の解決につながるという理論は、国でも懐疑的意見が多く、理論的には、実証されていないのが現実です。我々自民党は、川崎市が元気で活気のある街であるために、高齢者、こども、働く人、みんながいきいきと生活するために、バランスよく予算が配分されるために、市政の予算を注視しながら、市民の期待に応えられる活動をしてまいります。

市備蓄計画の改定を前倒し。
自助・共助の取組みとともに公助の更なる強化を。

 川崎市では、首都直下地震対策における国の動向や昨年4月の熊本地震から得た教訓を踏まえ、発災直後に必要となる備蓄物資の追加、備蓄体制強化のために改定案を取りまとまるところです。先の熊本地震の際には、本市職員が派遣され、復旧に協力してきたところです。派遣職員の報告から出された課題として、初動期において食料などの物資が不足したことや、要援護者や女性等に配慮したスペースの確保が出来なかったこと、衛生環境及び避難生活の長期化による健康管理があったと認識されました。これらの課題に対応するため、簡易食料1食分の追加、テント型プライベートルームや嘔吐物処理セット等の保健・衛生用品を新たに追加するなどの見直しを行うとしています。また、公的備蓄物資の交付対象者については、家屋の全壊、焼失のため避難所で生活を余儀なくされ、かつ物資の確保が困難な方と位置付けており、各区の想定人数については、川崎区31,371人・幸区20,822人・中原区34,511人・高津区21,720人・宮前区12,278人・多摩区9,574人・麻生区7,502人、全市計137,778人となっています。実際の備蓄倉庫ごとの物資については、資器材については全市均一の数量を配備していますが、食料や生活必需品等については、被害想定人数に応じて区ごとに数量を算出し備蓄しています。
 平成21年度に行われた「川崎市地震被害想定調査地震防災に関する意識調査」では、企業や事業所等では食料について「ほとんど備蓄していない」との回答が64,2パーセント、飲料水は58,8パーセントとなっています。その後の状況についての調査が行われていないため改善を促す取組みが必要です。一方、家庭における調査については定期的に行われており、直近の調査では、「3日分以上の飲料水の用意」を行っている割合が、43,2パーセント、「3日分以上の食料の用意」を行っている割合が33,3パーセント、「特にない」の割合が11パーセントとなっており、調査結果からは食料・飲料水の備蓄を行っている割合が上昇する一方で、特に何も準備していない割合が低下している状況が見られます。また、備蓄物資の情報共有を指摘してところ、所管局区において共有のデータファイルを作成し、避難所ごとに情報共有が図られていると答弁がありました。
 先般開催されました、防災シンポジウムでは、熊本市の大西市長を招き講演が行われました。その経験から、「市の事業に贅沢は必要ない。予算は防災・減災に必要な事業に集中させるべき」、「震災関連死は絶対に出してはいけない」といった熱のこもった講演や、「災害本部との連絡が取れず、登庁しようにも職員の迎えが来ず自力で市役所は向かった」などのエピソードも語られました。加えて、川崎市民に向けては、普段からの備蓄の必要性など、自助・共助と取組みの重要性について述べられました。日頃からの実践的な訓練の実施が必要であること、公助には限界があることを前提に自助・共助による地域力を高めなければならないことを改めて認識させられました。自民党川崎市議団は、明日は我が身との意識を持って、市民の生命・財産守るための備え、危機管理体制の更なる強化に取組んでまいります。

 

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