平成28年度 川崎市の予算編成に対する要望書

 日頃より川崎市政の発展に向け、積極的な施策を推進されている事に御礼申し上げます。
 さて、昨年度の本市決算においては、歳入面において市税や消費税交付金等が増加する一方で歳出面では保育受入枠の拡大等に伴う財政支出の増や臨時財政対策債の大幅減などの要因により減債基金から32億円もの新規借入れを余儀なくされるなど大変厳しい財政運営が続いています。
 また、一方で年々増加する社会保障費に本庁舎等建替事業、JR南武線連続立体交差事業、羽田連絡道路整備事業等の大規模な投資的経費が見込まれることから効率的で効果的な財政運営が求められています。
 このような状況にあっても、少子・高齢化対策や都市の活性化など、重要な施策の推進が必要であります。議会も一体となり、行財政改革の断行と伴に、質の高い行政サービスの提供に向け取組んでまいります。
 そこで我が党は、新年度予算編成にあたり、予算要望を行うものであります。本市におかれては、上記の通り厳しい財政状況にある事は承知しておりますが、各要望事項は市民にとり必要不可欠と判断したものであります。平成28年度予算編成にあたりまして、特段のご配慮をされますようお願い申し上げます。

平成27年12月

自由民主党川崎市議会議員団

要 望 事 項

Ⅰ 防災対策の緊急整備

  1. 国土強靭化基本法に基づく防災計画の再チェック
  2. 避難所整備促進条例に基づく対策の強化
  3. 災害時における関係団体との協力体制の確立
  4. 風水害対策の強化
  5. 臨海部における基幹防災拠点の整備と護岸の耐震化促進
  6. 施策全般について

Ⅱ 都市再生に向けた施策の展開

  1. 臨海部再編整備の促進
  2. 市内道路及び鉄道路線を含む交通体系の整備
  3. 新川崎地区都市拠点総合整備事業の推進
  4. 土地区画整理事業及び周辺整備にかかわる事業の推進
  5. 川崎港の機能充実に対する整備促進
  6. 道路・街路事業の着実な進展
  7. 小杉駅周辺の再開発整備促進
  8. 地籍推進事業の促進
  9. 施策全般について

Ⅲ 快適で安全な都市環境整備
     及び市内農業の振興施策の充実

  1. 緑化推進に対する予算措置の拡充
  2. 上下水道整備事業に対する整備促進
  3. 河川整備事業及び河川敷地の充実
  4. 資源循環型システムの構築に向けた施策の推進
  5. 農業施策の拡充と農地の有効活用

Ⅳ 地域福祉・医療・子育て支援の充実

  1. 地域包括ケアシステムの推進
  2. 特別養護老人ホームの早期整備と介護施策の充実
  3. 幼稚園の振興と充実に向けた施策の展開
  4. 待機児童の解消と子育て支援施策の充実
  5. 地域医療の拡充に向けた施策の推進
  6. 総合的な障害者支援施策の拡充

Ⅴ 市内経済の発展と中小企業・商店街活性化施策の充実

  1. 入札制度の見直し
  2. 中小零細企業に対する中小企業融資制度の継続と拡充
  3. 海外販路の拡大と対内投資の促進
  4. 観光事業の推進
  5. 社会起業家支援システムの構築(環境・エネルギー・福祉)
  6. 商店街の活性化
  7. 太陽光・風力・地熱・バイオマス・水素発電などによるエネルギー戦略の推進

Ⅵ 行財政改革の着実な推進

  1. 人件費の抑制について
  2. 減債基金の着実な積み立てについて
  3. 長期財政運営について
  4. 決算重視型の財政運営への切り換えについて
  5. 低未利用地の有効活用の推進
  6. 職員の不祥事防止策の徹底
  7. 指定管理制度下における各種委託事業の市内業者優先について
  8. 委託業務のあり方について

Ⅰ. 防災対策の緊急整備

防災対策の緊急整備

 東日本大震災からはや5年の歳月が経過しようとしています。今年も台風18号に伴う鬼怒川の氾濫や局所的な集中豪雨などの災害が相次ぐなど、災害リスクの高まりとともに自治体の危機管理体制が問われています。行政の果たすべき役割は、市民の生命・財産を守るための、公助の充実と共助の向上であります。
 本年開催された土砂災害ハザードマップ説明会には多くの方々が参加され、その関心の高さが浮き彫りになりましたが、尚一層の周知とともに避難勧告のあり方についても改善が求められています。
 以上の視点に立ち、本市における防災対策の緊急整備の着実な推進を図るため、次の事項について特段のご配慮をお願い致します。

(1)国土強靭化基本法に基づく防災計画の再チェック

(2)避難所整備促進条例に基づく対策の強化
・ LPガス供給体制の充実
・ 公共施設における耐震補強対策
・ 地域特性と災害特性に応じた避難所の確保と防災備蓄の整備
・ 障害者や高齢者等の災害弱者への支援体制の強化

(3)災害時における関係団体との協力支援体制の確立

(4)風水害対策の強化

(5)臨海部における基幹防災拠点の整備と護岸の耐震化促進

(6)その他
        ・急傾斜地における具体的な安全対策の確立
        ・防災ハザードマップの更なる充実と、周知及び市民防災意識の啓発活動
        ・消防団の処遇改善と宣伝の充実

Ⅱ. 都市再生に向けた施策の展開

都市再生に向けた施策の展開

このたび、「新たな総合計画」第1期実施計画素案が公表されました。
将来の人口減少を見据えた持続可能な都市づくりを目指す必要があります。その観点はまちづくりの分野においても例外ではなく、地域性への配慮や、広域的な視点に立ちつつも集約型都市構造の構築が求められます。
 拠点としての、小杉駅周辺開発や国際戦略総合特区構想が進む臨海部等におけるその特徴を生かした取り組みは一定の評価を致します。
 しかしながら、本市の厳しい財政状況や東日本大震災による様々な影響、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催による担い手の不足や資材の高騰などを考慮すると、都市基盤整備の着実な推進を図るには大変厳しい状況にあります。
 そこで、事業の優先順位を明確にし、柔軟な発想で効率的な事業展開を推進していかなければなりません。
 以上の視点に立ち、本市における都市基盤整備の着実な推進を図るため、次の事項について特段のご配慮をお願い致します。

(1)臨海部再編整備の促進
・ 新たな産業創造拠点・都市拠点としての再編整備
・ 国際戦略総合特区における企業誘致の促進
・ 臨港道路と国道357号線の早急な整備促進
・ 羽田連絡道路の早急な整備
・ 投資に伴う経済波及効果の検証

(2)市内道路及び鉄道路線を含む交通体系の整備
・ 横浜市営地下鉄3号線の延伸及び市域内の新駅設置
・ 川崎縦貫道路の整備促進
・ 京急大師線連続立体交差事業1期の着実な整備促進
・ 武蔵小杉駅以南における立体交差化事業の整備促進
・ 武蔵溝ノ口駅以北における橋上駅舎化の整備促進
・ 交通不便地域の解消(コミュニティバス等の導入推進)

(3)土地区画整理事業及び周辺整備にかかわる事業の促進 ・ 登戸区画整理事業の早期実現
・ 生田緑地周辺地区における環境共生型の街づくりと基盤整備
・ 柿生駅再開発事業の推進と都市計画道路柿生・町田線の早期整備

(4)川崎港の機能充実に対する整備促進
・ 京浜三港の連携とポートセールスの拡充強化
・ 臨海部道路網の整備促進と公的駐車場の確保
・ 不法投棄対策

(5)道路・街路事業の着実な進展
・ 都市計画道路の未整備箇所の見直し
・ 狭隘道路の整備促進(ボトルネック交差点の改良工事の推進)
・ 透水性素材や光触媒等を活用した交通インフラ整備
・ 橋梁・古跨橋の耐震補強の推進
・(仮称)等々力大橋の早期実現と宮内新横浜線の整備促進
・ 国のガイドラインに沿った自転車道の整備

(6)小杉駅周辺の再開発整備促進
・ 二ヶ領用水の親水護岸整備
・ 新丸子東2丁目方面への改札口の開設とホーム改良
・ 駅周辺におけるペデストリアンデッキの整備等、駅南北の回遊性と歩車道を分離した安全で快適な一体的整備の推進
・ ビル風による風害対策の強化

(8)地籍推進事業について
・ GIS(地理情報システム)の導入促進
・道路台帳図の数値化(電子化)の推進
・ 地元業者への優先発注

(9)施策全般において
・ 環境共生と社会的貢献を視野に入れた持続可能な都市の実現
・ まちづくりビジョンの明確化と「(仮)まちづくり条例」の整備による快適で安全な都市空間を実現

Ⅲ. 快適で安全な都市環境整備及び市内農業の振興施策の充実

快適で安全な都市環境整備及び市内農業の振興施策の充実

 資源枯渇が懸念される昨今において自然エネルギーの有効活用は持続可能な社会の実現に向けてのエネルギー源として注目されるとともに、新産業の創出や地域活性化のきっかけとしても期待を集めています。
 これまでも本市は過去に公害を克服してきた環境技術の集積をベースに地球温暖化対策の推進、自然エネルギーの最大限の導入、スマートコミュニティの構築などの積極的な取組を推進して参りました。
 また、「緑の基本計画」では、平成29年度までに、市域の骨格を形成する多摩丘陵の保全に向けた新たな緑地保全目標を掲げており、達成に向けては、都市農業の振興が、緑化推進の一助になることから、農業の積極的な支援は不可欠であります。 緑豊かに自然あふれるまちづくりのために、更なる事業展開に特段のご配慮をお願い致します。

(1)緑化推進に対する予算措置の拡充
・ 公園緑地整備事業及び緑化保全総合整備事業の拡充と市民団体の育成支援
・ 屋上緑化・壁面緑化事業の推進

(2)上下水道整備事業に対する整備促進
・ 雨水貯留管、雨水管幹線整備事業の拡充等のゲリラ豪雨対策
・ 耐用年数を超えた老朽化施設の改修
・ 生田浄水場用地における多目的グランドの整備 ・ 平間配水場用地等の有効活用
・ 等々力緑地内高度処理施設上部の早期開放

(3)河川整備事業及び河川敷地の充実
・ 河川敷利用に関する国への規制緩和の要請
・ 民間が所有するグランドを含む河川敷の有効活用
・ 平瀬川支川改修事業の推進
・ 五反田川放水路の整備促進
・ 多摩川スーパー堤防の整備促進
・ 二ヶ領用水宿河原線の樹木の適正保存 ・ 多摩川サイクリングロードの整備促進

(4)資源循環型システムの構築に向けた施策の推進
・ 事業系ごみの処理における搬入時間の緩和措置
・ ごみ行政の効果的な執行体制を確立と市民に対する周知徹底

(5)農業施策の拡充と農地の有効活用
・ 生産農家から市民までの「食の安全・安心」でつなぐ仕組みの構築
・ 農産物ブランド「かわさきそだち」等の地産地消の促進
・ 生産者に対する出荷奨励金等の継続
・ 休耕田、耕作放棄地の有効活用

Ⅳ. 地域福祉・医療・子育て支援の充実

地域福祉・医療・子育て支援の充実

我が国では諸外国に類のない速度で高齢化が進行しています。国の試算によれば団塊の世代が75歳以上となる2025年(平成37年)以降は、国民の医療や介護への需要が一層増加することが見込まれ、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう地域包括ケアシステムの構築が推進されており、本市においてもこれまでの地域医療連携のみならず、医療分野と介護分野における相互連携が求められています。
 また、女性の輝く社会づくりに向けて保育をはじめとする子育て支援の拡充も不可欠であります。よって、本市におかれましては、福祉・医療・健康づくりの更なる拡充に向け、特段のご配慮をお願い致します。

(1)地域包括ケアシステムの円滑な運用
・ 医師・看護師・介護士等と地域の情報共有体制の早期整備
・ 訪問介護、在宅ケアを含む在宅サービスの拡充と関係諸機関との連携

(2)特別養護老人ホームの早期整備と介護施策の充実
・ 県有地や民地活用を含む特別養護老人ホームの早期整備
・ 多床室整備に対する助成の継続実施

(3)幼稚園の振興と充実に向けた施策の展開
・ 他都市に比べ、割高である保護者負担の軽減
・ 保育施策との予算面における格差の是正
・ 園児健康安全事業と特別支援事業の拡充

(4)待機児童の解消と子育て支援施策の充実
・ 利用者のニーズに応じた多様な保育事業の拡充
・ 学校における「いじめ」「不登校」「校内暴力」への適切な対応と教職員の指導力強化
・ 川崎市子どもを虐待から守る条例に基づく施策の推進
・ 小児医療費助成制度の段階的な拡充

(5)地域医療の拡充に向けた施策の推進
・ 地域医療連携の推進
・ 歯科診療事業(休日、高齢者、障害者)の拡充と口腔ケア対策の強化及び妊産婦歯科検診事業の実施
・ 小児救急医療の充実と医療従事者の確保
・ 救急医療体制の充実と療養病床の増床及び北部医療圏における不足病床数の有効活用
・ 新型インフルエンザ等の感染症対策及び災害時の対応等、危機管理体制の強化

(6)総合的な障害者支援施策の拡充
・ ひきこもり支援事業への助成拡充
・ 障害者医療の充実
・ 就労や訓練等の障害者の自立に向けた支援拡充
・ 老障介護の支援施策の整備
・ 重度障害者の大規模入所施策の整備促進
・ 発達障害児への支援の強化 ・ 障害者グループホームの整備促進

Ⅴ. 市内経済の発展と中小企業・商店街活性化施策の充実

市内経済の発展と中小企業・商店街活性化施策の充実

 長引く不況から脱却すべく、アベノミクスといわれる経済・財政対策が打ち出され、その効果により経済は成長軌道にのりつつありますが、中小零細企業やその従業員に実感されるには至っていない状況です。
 本市においても、市内中小企業・零細企業は、相変らず厳しい状況にあり、事業の発注に際しては市内事業者へ効果的な優先発注等の対策を講ずる必要性が求められています。また、雇用対策は緊近の課題であるとともに、併せて、“まち"の活性化に向け商店街の振興、市内経済に対する資本の循環施策の拡充強化を図る必要があります。
 よって、本市に於かれましては、以上の点に御留意頂き特段のご配慮をお願い致します。

(1)入札制度の見直し
・ 入札最低制限価格の見直しと物品単価の乖離是正
・ 主観評価項目制度の更なる拡充と地元優良事業者の参入機会の拡大
・ 適正な最低制限価格の設定と設計担当技術者の育成
・ 学校給食における食材調達の公平な入札確保
・ 市内業者への優先発注と分離分割発注の拡大
・ PFI事業における市内業者の参入支援

(2)中小零細企業に対する中小企業融資制度の継続と拡充

(3)海外販路の拡大と対内投資の促進
・ 海外有力企業の誘致等、対内投資の推進
・ ビジネスマッチングの機会創設
・ ワンストップサービスの促進

(4) 観光事業の推進
・ 川崎市観光資源の積極的な発掘とPRの推進
・ 主要ターミナル駅における観光案内機の設置
・ 地域活性化のための市内イベントの支援強化
・ 市制記念多摩川花火大会の拡充
・ 観光タクシーの開設
・ 観光客の増加に向けたホテル誘致
・ 多摩川河川敷のバーベキュー場の適正利用に向けた対策

(5)社会起業家支援シテスムの構築(環境・エネルギー・福祉)
・ 起業家創業ベンチャー企業の育成支援
・ 新産業創出支援事業の拡大
・ 国際貢献等地域経済の活性化

(6)商店街の活性化
・ 専門的なコンサルタントの派遣
・ 節電対策に寄与する街路灯LED化支援
・ 空き店舗活用の支援

(7)太陽光・風力・地熱・バイオマス・水素発電などによるエネルギー戦略の推進

Ⅵ. 行財政改革の着実な推進

行財政改革の着実な推進

 政府の新たな成長戦略が打ち出され、株価の上昇、失業率の低下、新産業の創出など、経済に明るい兆しが見え、景気回復を実感できる状況が現れつつありますが、一方、平成26年度末現在において減債基金から借入額は累計126億円もの借入がなされています。生活保護扶助費、こども関係、老人福祉関係、障害者福祉関係など扶助費の推移は、増加傾向にあり、依然として厳しい財政状況であります。
 こうした厳しい状況を踏まえ、新たな総合計画と行財政改革プランを策定し推進することなくして、本市財政が危機的状況から脱するのは不可能といえます。
 以上の観点に立ち、平成28年度予算策定において、行財政改革の着実な推進を図るため次の事項についてご配慮いただきますよう要望します。

(1)人件費率を他の政令指定都市平均並みに近づけること

(2)将来の償還に備える減債基金の取り崩しによる財政運営を見直し、減債基金の着実な積み立てを優先すること

(3)債務負担行為に基づく将来の償還額の推移を踏まえた、中・長期財政運営の改革に着手すること

(4)臨時財政対策債の活用による行財政改革プランの実行に関しては、将来の償還を十分に考慮の上、歳入実態に見合った予算を策定し、決算重視型の財政運営に転換すること

(5)低未利用地の有効活用の推進を図ること、また、市内県有地を有効活用に向けて、定期借地等の手法を検討し、積極的に働きかけること

(6)職員の不祥事防止対策及び、綱紀粛正の徹底について更なる啓発を図るとともに、意識改革と人材育成に十分な措置を講ずること

(7)指定管理者制度下における各種委託事業における市内業者優先の徹底を推進すること

(8)現在の委託業務のあり方をメリット・デメリットを良く検証し職員の資質向上に取り組む

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